« 拙著『スムーズジャズを楽しむ50枚のアルバム』 | トップページ | Paul Brown 「Ones Upon A Time」(2020) »

2020年8月23日 (日)

Euge Groove 「Sing My Song」(2020)

ユージ・グルーヴの新作は、「Groove On」(2017)に続くソロ12作目。

近年作品で常連のリズム・セクション、コーネリウス・ミムス(ベース)、レニー・カストロ(パーカッション)、ジョン・スミス(ギター)、トレヴァー・ローレンス(ドラムス)に加えて、カーネル・ハレル(キーボード)が参加して安定したサウンドを固めています。

ゲストも常連の、ダリル・ウィリアムズ(ベース)、ピーター・ホワイト(ギター)、ポール・ブラウン(ギター)や、フィリップ・セス(ピアノ、オーケストレーション)が参加しています。

全11曲は、10曲の自作オリジナル(共作が1曲)とカヴァー1曲。上質なミドル・オブ・ザ・ロードの楽曲と演奏が並んでいます。アクセントの強いビート感より、洗練されたソフト路線だが、完成度は有無も言わせない内容です。

重奏でシャッフルするサビ・メロは、グルーヴのアイコンです。「Dirty Dozen」や「Say I Won't」「The Journey Ahead」の軽快にシャッフルする吹奏は、定番的でも今回も惹きつけれられます。

ソプラノ・サックスで奏でるメランコリーなメロディのバラードも、グルーヴの真骨頂。「Hey Boo」はダリル・ウィリアムズ(ベース)、「Until Tomorrow」はピーター・ホワイト(ギター)をそれぞれフィーチャーした佳曲で、やはりグルーヴのフレージングが極上の味わいです。

ボーカルに女性ジャズ・シンガー、メイザ・リークを迎えたのは「Sing My Song」で、グルーヴとリンジー・ウェブスターの共作です。ウェブスターとは、前作で「Always Love You」を共作したコンビで、その曲はウェブスターが自ら歌っていました。今回は、作者のウェブスターが歌わずに、メイザをボーカルに起用しています。最後に、別リミックスの同曲が入っています。アレンジを担当したフィリップ・セスのピアノ伴奏とオーケストラをフィーチャーしたシンフォニックなトラックです。

今作のハイライトは、カヴァー演奏の「Rise」(ハーブ・アルパート)でしょう。ポール・ブラウンのギターをフィーチャーしています。グルーヴのテナー・サックスを使ったメロウなアプローチが素晴らしい。

意外ですが、グルーヴがカヴァー演奏するのはあまり多くありません。過去の全アルバム11作、収録曲は110曲超に及びますが、カヴァー曲は6曲ほどに過ぎません。(以下。カッコ内はオリジナル・アーティスト。)

  • 「Another Sad Love Song」(トニ・ブラクストン)は、『Euge Groove』(2000)に所収。
  • 「Let's Get It On」(マーヴィン・ゲイ)は、『Play Date』(2002)。
  • 「Don't Let Me Be Lonely Tonight」(ジェイムス・テイラー)は、『Livin' Large』(2004)。
  • 「Just My Imagination」(ザ・テンプテーションズ)は、『Just Feels Right』(2005)。
  • 「I Love You More Than You'll Ever Know」(ダニー・ハサウェイ)は、『Born2Groove』(2007)。ゲストのボーカルは、アリ・オリ・ウッドソン(ザ・テンプテーションズのリード・シンガー)。
  • 「Love Won't Let Me Wait」(メジャー・ハリス)は、『S7ven Large』(2011)。

70年代のソウル/R&B曲が大半を占めていて、グルーヴもソウルフルな表情を見せる魅力のカヴァーになっています。特に、「Let's Get It On」や「Just My Imagination」「Love Won't Let Me Wait」は、ベスト級の演奏です。

| |

« 拙著『スムーズジャズを楽しむ50枚のアルバム』 | トップページ | Paul Brown 「Ones Upon A Time」(2020) »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 拙著『スムーズジャズを楽しむ50枚のアルバム』 | トップページ | Paul Brown 「Ones Upon A Time」(2020) »