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2020年11月14日 (土)

Paula Atherton「Can You Feel It ?」(2020)

サックス奏者ポーラ・アザートンは、過去作品「Ear Candy」(2015)「Shake Up」(2018)のポップなオリジナル楽曲とパワフルな演奏が記憶に焼きついた注目のアーティストです。

今回の新作も、ポップス・チャートに登りそうなキャッチーな楽曲と洗練度の高いサウンドで固めた、高揚感が湧き立つ素晴らしい作品です。

アザートンはサックスに加えて、フルートと自らのボーカルを披露しています。自作や共作によるオリジナル楽曲の数々は、ラテン、R&B/ソウル、ファンクなど多彩なテイストがヒット・パレードのように続いて耳を奪われます。

ゲストは、シンディ・ブラッドリー(トランペット)、グレッグ・マニング(キーボード)、ビル・ヘラー(ピアノ)らが参加。曲の共作や共同プロデュースを、グレッグ・マニング、ポール・ブラウン、ネイサン・ミッチェル、シュイラー・ディール、ルー・ギメネスといった人たちとコラボしています。

ルー・ギメネス(Lou Gimenez)はギター演奏やプロデュースに加え、全曲でミックスとマスタリングを手がけてサウンド・デザインにおけるキー・パーソンのようです。

グレッグ・マニングがプロデュースした2曲、「Just Can't Stop」(マニング作曲)と「Can You Feel It」(マニングとアザートンの共作)は、軽やかなビートとパワフルなアザートンの生み出すグルーヴが病みつきになるハイライト曲です。

アザートンのオリジナル曲「One Night in Madrid」はラテン・ビートの佳曲で、フルートを演奏しています。サックスに劣らず、エネルギッシュなフレージングを駆使するフルートの熱演に引き込まれます。ザ・リッピングトンズのメンバー、ビル・ヘラーの流麗なピアノ演奏にも注目です。

都会的なムードの「Summer Song」、疾走感が爽快な「20 Miles to Nowhere」、ヒップな「In The Pocket」や、ファンキーなビート・チューン「Funkulator」など、テイストの異なる曲を並べた多彩な構成も絶妙です。

自らのボーカルを披露する3曲も注目です。「Don't Let Me Wait」は、シャウトするソウル/ファンク曲。「Calling You」は、スウィート・ソウルばりにハイ・トーンで情感を盛り上げるバラード。「Forget Me Nots」は、パトリース・ラッシェンの代表曲(1982年)のカバー演奏。いずれも上品な声質での熱唱に、パワフルなサックス演奏を追随させる、この人ならではの歌ものになっています。

過去作品にも増して、アザートンのポップな魅力が際立つ秀作です。

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