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2020年12月 9日 (水)

Brian Bromberg 「Celebrate Me Home: The Holiday Sessions」(2020)

ベース奏者ブライアン・ブロンバーグの新作は、30年超えのキャリアで初めてとなる素晴らしいクリスマス・アルバムです。

ライナーノーツによれば、今年パンデミックの期間に”ソーシャル・ディスタンス”をまもり作られたとのこと。各ミュージシャンが離れたスタジオにいながら同時録音やダビングを駆使して完成したそうです。

そんな背景であっても、演奏は飛び切りに活き活きとしたグルーヴに満ちています。なんといっても、ホリデイ音楽らしいキラキラと夢のようなハッピー・ムードにあふれていて、パンデミックに苦悩する世界の不安を和らげる楽しさです。

参加ミュージシャンは、エバレット・ハープ(サックス)、エラン・トロットマン(サックス)、ナジー(フルート)、クリス・ウォーカー(ボーカル)、メイザ・リーク(ボーカル)らのフィーチャー・ゲスト陣に、リズム・セクションにはトム・ジンク(ピアノ)、トニー・ムーア(ドラム)、レイ・フラー(ギター)らが固めています。アンドリュー・ニュー(サックス)が務めた、ビッグ・バンド・スタイルのホーン・セクションのアレンジ/演奏が、ゴージャスに光っています。

ブロンバーグは、アコースティック・ベースからエレキ・ベースなど異なるベースを演奏していますが、なんといってもトレード・マークのピッコロ・ベースによる、ギターさながらの技巧演奏には耳を奪われます。ガット・ギターのように暖かいパッセージや、ジャズ・ギターのスタイルを凌駕する速弾きフレージングやダイナミックなコード・ストロークまで披露しています。

12曲の収録曲のうち、「The Christmas Song」や「This Christmas」などクリスマスの伝統的な定番曲が半数をしめますが、「Wonderful Christmas」(ポール・マッカートニー)や「Celebrate Me Home」(ケニー・ロギンスの1977年ソロ・デビュー・アルバムのタイトル曲でボブ・ジェイムスとの共作曲)「Feliz Navidad」(ホセ・フェリシアーノ)ら近年のポップスも取り上げていてコンテンポラリーなムードを演出しています。

ブロムバーグのオリジナルは2曲で、どちらも記憶に焼きつく佳曲です。「Let's Go On A Sleigh Ride!」は、スタンダードなクリスマス曲に引けを取らない曲。ブロムバーグのピッコロ・ベースが縦横無尽に飛翔するフレージングが圧巻です。「The Holiday Without You」は、メランコリーなメロディをピッコロ・ベースが繊細に奏でる曲で、感傷的なイメージが思い浮かぶようです。

理屈ぬきに楽しさのあふれる作品で、きっと来年も聴きたくなるに違いありません。スムーズジャズのクリスマス・アルバムとして、エバーグリーンな定番作品になるでしょう。

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