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2021年1月の4件の記事

2021年1月30日 (土)

Jim Kimo West 「More Guitar Stories」(2020)

スラックキー・ギター奏者ジム・キモ・ウエストの新作は、第63回グラミー賞「ニュー・エイジ」部門ベスト・アルバム賞にノミネートされた秀作です。前作『Moku Maluhia: Peaceful Island』(2018)に続いて、2年連続のノミネートになりました。(※ 末尾に追記)

スラックキー・ギターとは、ハワイで伝統的に使われる、多様なオープン・チューニングの調律で演奏するギター奏法です。

ウエストは80年代から、パロディ音楽の人気アーティスト、アル・ヤンコビックのバンド・メンバーとして活動していますが、ツアーでハワイを訪れたのを機会に、スラックキー・ギターに魅せられたそうです。以来、スラックキー・ギターの演奏家としておよそ10作のソロ・アルバムをリリースしています。

この新作は自作オリジナルの全10曲から成り、スラックキー・ギター演奏を中心に、多様なギターと弦楽器(12弦、エレキ、シンセ、マンドリン、ペダル・スティールなど)を自ら演奏して、アンサンブルではベースやパーカッション、ヴァイオリン、チェロなどのプレイヤーを迎えています。

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2021年1月17日 (日)

Will Donato 「Elevate」(2020)

サックス奏者ウィル・ドナートは、2004年以来ソロ・アルバムをコンスタントに発表しているアーティストです。現在所属しているレーベル、インナーヴィジョン・レコーズからは、ソロ3作目の『Will Call』(2007)を始めとして『Lows of Attraction』(2009)『What It Takes』(2010)『Universal Groove』(2014)『Supersonic』(2017)のオリジナル・アルバム5作品と、クリスマス・アルバム2作品をリリースしています。この新作は、通算10作品目のオリジナル・アルバムです。

ドナートの演奏は、エネルギッシュな吹奏スタイルが特徴で、オリジナル楽曲はポップなセンスとR&Bやソウルのソリッドなテイストが共存した佳曲が並んでいます。正統ジャズの即興フレージングを披露する好演奏も聴きどころになっています。

この新作は、ドナートの従来のスタイルに磨きをかけた内容ですが、注目はオリジナル・アルバムでは初めてと思われるフルート演奏をフィーチャーしたことです。タイミングでは前作にあたる『Renaissance Christmas』(2019)が全10曲、フルートだけの演奏を披露したクリスマス・アルバムでした。それ以前のクリスマス・アルバム『Best of Season』(2011)でも数曲、フルートを吹いていましたが、オリジナル・アルバムではサックス演奏に徹していたようです。

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2021年1月 9日 (土)

あのポップス名曲のサックスは誰だ?(Part 4)

1. スティーリー・ダン:「FM(No Static at All)」(1978)

間奏と終盤に入るテナー・サックスは、ジャズ・サックス奏者のピート・クリストリーブ(Pete Christlieb)です。ゾクっとするジャジーなサックスが、ミステリアスな曲想を盛り上げています。終盤のアドリブのフレージングは名演です。

映画『FM』(1978)のテーマ曲としてリリースされてヒットしましたが、スティーリー・ダンのオリジナル・アルバムには未収録の人気曲です。

アルバム『Aja』の中の 「Deacon Blues」でも、クリストリーブがソロ演奏をしています。

クリストリーブは最近、クリス・スタンドリングの『Sunlight』にゲスト参加や、デヴィッド・ガーフィールドの『Jazz Outside The Box』の「Sophisticated Lady」でもソロを吹いています。

 

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2021年1月 3日 (日)

Jazz In Pink featuring Gail Jhonson 「Joy !」(2020)

新年明けましておめでとうございます。今年も、グッとくるスムーズジャズの作品を紹介していきます。

フィラデルフィア出身のキーボード奏者ゲイル・ジョンソンが率いる<ジャズ・イン・ピンク>は、全員女性ミュージシャンからなるスムーズジャズ・バンドです。デビュー・アルバム『1st Collection』(2014)には、アルティア・ルネ(フルート)マリエア・アントワネット(ハープ)カレン・ブリッグス(バイオリン)らが参加していますが、チーム編成は流動的で、ライブでは、キム・スコット(フルート)シンディ・ブラッドリー(トランペット)なども共演しています。

この新作は、そのバンド名<ジャズ・イン・ピンク>を掲げていますが、ゲイル・ジョンソンのソロ作品というべき内容になっています。サポート陣として、キム・ウォーターズ(サックス)ポール・ジャクソン・ジュニア(ギター)マリオン・メドウズ(サックス)ネイト・ハラシム(シンセサイザー/ギター)キム・スコット(フルート)などトップ級アーティストを迎えています。

ジョンソンの才能が発揮された素晴らしい作品です。ジョンソンのピアノは、粒立ちのいい音色とジャジーなフレージングが魅力です。全インスト10曲はジョンソンのオリジナルで、フィリー・テイストのR&Bやジャズ/フュージョンを骨組みにしたスマートな曲が並んでいます。

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