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2021年6月 6日 (日)

Merlon Devine 「Soul Jazz」(2021)

マーロン・デヴァインは、ワシントンDCを拠点に活動するサックス奏者です。コンテンポラリー・クリスチャン(もしくはワーシップ)・ミュージックとよばれる現代的ゴスペルのインストゥルメンタル・アーティストととらえられているようですが、スムーズジャズ/コンテンポラリー・ジャズとクロスオーバーする演奏家です。ソロ・アルバムは、『Due Season』(2002)から『Now』(2017)まで6作品を数えます。ソプラノ・サックスの演奏をトレードマークとして、包容力を感じさせる音色とサウンドが特徴です。

7作目となる新作は、クリスチャン・テーマを思わせるタイトルも並びますが、ミッドテンポを中心としたサウンドはメロウなムードに貫かれたコンテンポラリーなアーバン・ジャズとして堪能できる秀作です。

今作では曲ごとに複数のプロデューサーを迎えて、デヴァインと楽曲の共作/演奏で制作されています。ルー・レイン、デリック・ハーヴィン、マイケル・ブレーニングなど、いずれも近年のスムーズジャズ作品で活躍する実力派プロデューサー/ミュージシャンと洗練されたサウンドを作りあげています。

ルー・レインは、ジュリアン・ヴォーンディー・ルーカスらの新作に参加していた人。マイケル・ブレーニングは、ランディ・スコットレブロンの新作も手がけたベテラン・プロデューサー。デリック・ハーヴィンは、キーボード奏者としてソロ・アルバムもリリースしている新鋭アーティスト。

冒頭の曲「Spotless」は、ハーヴィンがプロデュース/共作した曲。フラット気味の音調が意表をつきますが、ナチュラルで流れるようなデヴァインのソプラノが曲の魅力を引きあげています。

レインがプロデュース/共作した「Soul Jazz」は、ソプラノとピアノが美しい音粒を紡ぎ合うインタープレイが素晴らしい演奏です。ピアノはニック・スミスという人で、最近ソロ・デビュー作品をリリースしています。

同じくレインが関わった「Vigor」は、ファンキーなアクセントを奥ゆかしくおさえ気味に、サックスとギターがメロウ・ムードを強調する佳曲。ギターは、スムーズジャズの人気サイドマン、フレディ・フォックス。

「Blueprint」もレインとの共作曲で、デヴァインがこの曲だけテナー・サックスを演奏しています。グルーヴァー・ワシントン・ジュニアを彷彿とするフレージングが光る、クワイエット・ストーム的なムードが味わい深い演奏。

「Grace」はブレーニングのプロデュース/共作した曲。洗練されたポップなフック・メロディーが印象的な曲。おおらかな曲調がワーシップ的といえますが、グルーヴの盛り上がりにジャズ・スピリットがあふれる好演です。

1曲のカバー曲は、オーストラリア・シドニーのコンテンポラリー・クリスチャン・ミュージック・グループ、<ヒルソング・ワーシップ>の「What a Beautiful Name」。2018年のグラミー賞(コンテンポラリー・クリスチャン・ミュージック部門ベスト・ソング賞)を受賞した曲です。ドラマチックなサックス・フレージングが聴きどころ。この朗々とした賛美ムードでしめるところが、コンテンポラリー・クリスチャン路線の音楽性をアピールしています。

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