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2021年7月24日 (土)

Brian Simpson 「All That Matters」(2021)

ブライアン・シンプソンの新作は、スティーヴ・オリバーとのコラボ作品「Unified」(2020)をはさんで、ソロ名義としては「Something About You」(2018)以来の9作目となるアルバムです。輝くようなピアノの音粒が際立つ充実作です。

近作では常連の、ニコラス・コール、スティーヴ・オリバー、オリバー・ウェンデルらとのコラボで構成された全10曲。従来と変わらぬ路線とはいえ、それぞれとの共演が円熟度を増してサウンドの完成度に反映されているようです。

ゲストの、ナジー(フルート)、スティーヴ・アラニーズ(サックス)、ロン・キング(トランペット)、ジム・ピサノ(サックス)、ヤロン・レヴィー(ギター)らのソロ演奏も聴きどころになっています。特に、初めて聴くアーティストですが(※)、スティーヴ・アラニーズ(Steve Alanis)のサックス演奏は、輪郭が鮮明な奏音に思わず引きつけられました。

そのアラニーズがフィーチャーされた、「When I Found You」(オリヴァー・ウェンデルの曲)と「Daybreak」(スティーヴ・オリヴァーとの共作)は、明るいメロディとサウンドの心地よさが素晴らしいハイライトな2曲です。

シンプソンの近年作品は、どちらかというとチルアウトな路線が続いていましたが、この2曲は久しぶりの明るいムードで強く印象に残ります。過去作品の「Above the Clouds」(2007)や「South Beach」(2010)はいまでも愛聴盤ですが、両作で聴けた明るい曲想を思わせます。

「All That Matters」(オリヴァー・ウェンデルとの共作)は、タイトなリズム・セクションにサックス(ジム・ピサーノ)、ギター(ヤロン・レヴィー)を配したアンサンブルの演奏。ゆったりしたビートにもグルーヴを感じる、シンプソンならではの真骨頂です。

サウンドのエレガントな装いは、今まで以上にクオリティが増して隙のないシンプソンの音楽世界です。

余談ですが、サンフランシスコ出身のラッパー、ラリー・ジューン(Larry June)というアーティストが、シンプソンの「Above the Clouds」収録曲「Let's Get Close」のピアノの一節をサンプリングした曲を発表しています。「Orange Print」というアルバムの「6am In Sausalito」という曲です。興味ある方は、チェックしてみて下さい。

 

【追記:2021/7/29】(※)と思いきや、スティーヴ・アラニーズは、Steve Alanizのクレジットで過去アルバムに参加していました。『Out of Dream』(2015)では2曲、「Let's Get Away」と「Rio Sway」(フルート演奏)で。『Persuasion』(2016)でも2曲、「One And Only」「Surreal Theme」で演奏が聴けます。いずれも、オリヴァー・ウェンデルとの共作曲かセッションというのが共通しています。

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コメント

yama_chan です。PCが崩壊して投稿の名前が変わったりしてすみません。(プラス、体調戻りつつあります)

このアルバムはまさに即買いで本日CDが届きました。
貴殿のコメントにあるように、「Above the Clouds」(2007)のスタイルで、輝くようなピアノの音粒が際立つ充実作です、ということで大賛成です。実は、ブライアン・シンプソンは、最近はコラボの作品が多く、もうちょっとやなという感じでしたが、このアルバムは非常に好きです。
「Above the Clouds」は小生も愛聴盤で今もよく聴いています。(Above the Cloudsのジャケ写真と比べて、さすがにブライアン・シンプソンも本作のジャケを見ると年をとりましたね。まあ小生も同様か…)

OLI SILKの「6」の時に「プリップリの葡萄を連想させる粒達の良さが特徴で」と言わせて頂きましたが、ブライアン・シンプソンの本作は、ジューシーさが加わるので、「新鮮なグレープフルーツ」と言うか、「梨狩りでの梨のおいしさ」うーんこれでは水っぽすぎるか、と表現に悩みます。
14年ぶりの素晴らしい作品だと思っています。愛聴盤になると確信しています。
written by yama_chan

これからもよろしくお願いします。

投稿: yama_chan | 2021年8月 9日 (月) 23時40分

yama_chanさん、コメントありがとうございます。
グレープフルーツのジューシーさ、とは。
うーん、すばらしい表現ですね。
まさしく、そんな感じです!

投稿: UGASAI | 2021年8月10日 (火) 16時09分

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