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2021年8月15日 (日)

Will Sumner 「Ocean Street」(2021)

ウィル・サムナーは、ロサンゼルス出身のギター奏者です。ミネアポリスでキャリアをスタート、デビュー作『Tropic Zone』(1980)を発表しました。後年、南カリフォルニアに移住して、現在はサンディエゴ郡のカールスバッドを拠点に活動しています。ソロ・アルバムは通算8作品をリリースしています。ギター奏者ですが、ドラムス、ピアノ、ヴァイオリンなどを演奏するマルチ・プレイヤーです。作編曲家としても、映画やテレビなどの映像作品やコマーシャルの音楽を手がける活動もしているようです。

サムナーはあるインタビューに答えて、影響された音楽としてベンチャーズやビーチ・ボーイズのサーフ・ミュージックを挙げています。過去アルバムは、『Pier Groove』(2013)『Endless Sumner』(2020)『Coast Drive』(2003)『Ride the Wave』(2020)という具合に、海やビーチをテーマにしています。拠点のカールスバッド市は太平洋岸に位置するリゾート地だそうですから、自身のビーチ・ライフから生まれる音楽なのでしょう。

本作は9枚目となるソロ・アルバム。一聴した時は息の合ったバンド・アンサンブルかと思いましたが、実際はサムナーによるワン・マン・バンドで作られているようで驚きです。ギターに加えて、ベース、キーボード、ドラムスにいたるまでサムナーが演奏を手がけています。

ギターが中心ですが、ピアノやオルガン、ドラムスの各パートをバランス良く配した編曲が素晴らしい内容です。

ギターはアコースティックやフェンダーを駆使して、ロック的な切れ味や、パット・メセニー風な浮遊感があったりと多彩な引き出しを披露しています。

他の楽器演奏も注目で、キーボード演奏はメロディアスで、ドラムスやパーカッションはダイナミックに、ベースの練られたパッセージにも引き込まれます。サウンド全体のゆったりとしたグルーヴとドライな質感でリラックス・ムードを満喫できます。

リリカルでジャジーなピアノが際立つ「Building Castles」や、オルガンがアーシーなロックを思わせる「Mavericks」。マリンバ演奏がトロピカルなムードの「More Hot Sauce」に、ロング・トーンのフェンダー・ギターが視界を広げる「Cocktails At Maguires」。ラスト曲「West Of Five」では、ダイナミックなドラミングが光ります。

全8曲はサムナーのオリジナルですが、「More Hot Sauce」はデビュー・アルバム『Tropic Zone』に入っている「Hot Sauce」の再演奏です。

ちなみに、アルバム・タイトルの「Ocean Street」は一連のソロ作品をリリースしているサムナーのプライベート・レーベルの名前です。同名の曲が3枚目の『Desde Mi Corazon』(2000)にあるのですが、本アルバムには入っていません。

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コメント

yama_cyanです。
このアルバム、本日入手しました。3曲目以降に炸裂するパフォーマンスに圧倒されます。簡単に言うと、アルバムの各曲のあり方が幅広いので、えっ?これ全部自分でやってんの?という感じです。ギタリストでしたっけ、キーボード?ドラム?何が本職でしたっけ、というようなアルバムです。パーカッションの効きもよいので、小生にとっては、かなり高得点のアルバムです。
話がそれて申し訳ないですが、数日前に「LIVE IN LOCKDOWN / Shakatak」を購入しました。Shakatak は老舗のイギリスのグループですが、最近は、ややもすると綺麗系、イージリスニング?という感じで、12年ぶりの購入です。無観客ライブということですが、録音のやり方が違うのか、ドラムとベースのアタック音がうまく録音できていて、Shakatakが、キーボード、ドラム、ベース、プラス ボーカル&パーカッションのフュージョングループであることが再認識されます。40年近く活動しているグループとは思えないので、一聴ください。
今後ともよろしくお願いいたします。yama_chan

投稿: yama_chan | 2021年9月 4日 (土) 20時48分

いつもコメントありがとうございます。
ウィル・サムナーは、聴くほどに味わい深くなるなかなかの良作と思います。次作にも期待しています。
さて、シャカタクは全ての作品を聴いている訳ではありませんが、好きなバンドです。「ナイト・バーズ」をリアルタイムで聴いた世代ですから。ご推薦のライブ盤は知りませんでした。興味がわきますね。

投稿: UGASAI | 2021年9月 5日 (日) 14時40分

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