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2021年10月 9日 (土)

Ronny Smith 「Coastal Sunset」(2021)

ロニー・スミスは、メロウな音質、ウェス・モンゴメリー直系のオクターヴ奏法、クールな熱量も味わいのあるギター奏者です。R&B/ファンク/ジャズのテイストでグルーヴを展開する演奏は、派手さはなくても好感度が高いアーティストです。

新作は、リラックスしたムードが伝わる秀作です。

前作『Raise The Roof』(2020)はユー・ナムが運営するレーベル<スカイ・タウン・レコーズ>からのリリースでしたが、今作は以前に作品を発表していた独立系レーベル<パシフィック・コースト・ジャズ>に復帰しての発表です。そのことも影響しているのでしょうか、どこか羽を伸ばしたような演奏が前作との違いを感じます。

自作の10曲は、数曲でリズム・セクションが入りますが、多くはギターにキーボード、ベース、プログラミングのワンマン演奏で仕上げています。フィーチャー・ゲストとして、サックス/フルート奏者ジョン・レケヴィチ(John Rekevics)やベース奏者ジョセフ・パトリック・ムーア(Joseph Patrick Moore)が参加しています。

今作への想いをライナーに綴っています。コロナ禍で両親と姪が相次いで亡くなったそうです。「思うところは言葉でなく音楽で表したい」と。

後半の三曲は、そんな思いが込められたように印象的です。

「For You」は、両親に捧げたという曲。悲哀な表情は見せず、パトリック・ムーアのフレットレス・ベースをゲストに、ふたりのインタープレイは温もりが伝わる好演です。「Let The Feeling Flow」も、最後の「Love and Happiness」も、寄り添うようなゆったりとしたテンポと、語るようなギターのパッセージが味わい深い曲です。

キャッチーなリフのグルーヴに引き込まれる曲も光っています。

ブラス・セクションを従えたファンキー・ビートが踊る「String of Hearts」、リズム・セッションとヒップなブルースを展開する「Blues Like This」。フラメンコの味付けでポップに聴かせる「Island Meiden」など、多彩なタイプの楽しい演奏が並んでいます。

タイトル曲「Coastal Sunset」はジョン・レケヴィチ(サックスとフルート)との重奏で、メロウに連なるスミスのフレージングに癒やされます。

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