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2021年11月の3件の記事

2021年11月28日 (日)

Till Brönner 「Christmas」(2021)

ドイツのトランペット奏者ティル・ブレナーの新作は、ピアノとベースとのトリオ演奏(デュオも数曲)によるクリスマス・アルバムです。

ピアノのフランク・カステニアー(Frank Chasteiner)とベースのクリスチャン・フォン・カペヘンクスト(Christian Von Kaphengst)は、ブレナーの多くの作品に参加しているサポートの常連です。気心の知れた関係がにじみ出るように、3人のアンサンブルは暖かいムードが伝わります。ブレナーは大半の曲でフリューゲルホーンを吹いていて、やわらかい音色が一段と幸福感を膨らませる好演になっています。

ブレナーのクリスマス・アルバムは今作が2作目です。かつての『The Christmas Album』(2007)は、フォン・カペヘンクストとの共同プロデュース作品で、カステニアーも演奏に加わっていました。その3人で再びクリスマス・アルバムを作ったというのも興味深いところです。

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2021年11月21日 (日)

Adam Hawley 「Risin' Up」(2021)

ギター奏者アダム・ホーリーの4作目の新作は、息もつかせないギター演奏が圧倒的な秀作です。ホーリーはプロデューサーとしても売れっ子ですが、自作ではギター奏者としての実力を聴かせてくれます。ビート・ナンバーを中心にしたオリジナル曲も佳曲揃いで、アルバムを充実させています。

フィーチャー・ゲストに、スティーブ・コール(サックス)、ヴィンセント・インガラ(サックス)、ライリー・リチャード(サックス)、ジュリアン・ヴァーン(ベース)らが参加しています。ホーン・セクションを、マイケル・スティーバー(トランペット)、デヴィッド・マン、ドナルド・ハイズが手がけているのも注目です。

ゲストのソロの印象がかすむほど、ギターがパッセージを弾きまくります。速弾きにストロークを織り交ぜて、スタミナたっぷりのランナーのように疾走します。

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2021年11月 7日 (日)

Vincent Ingala 「Fire & Desire」(2021)

サックス奏者ヴィンセント・インガラの7枚目となる新作は、賞賛の意味を込めて、ポップスのカテゴリーでも評価されるべき「ポップ・インストゥルメンタル」の傑作だと思います。

全ての演奏と作編曲を自身で手がけるスタイルはいつも通りですが、今回は徹底してワンマンで作られています。ゲストも、ウォルト・ジャクソン(トランペット)がひとりクレジットされているだけです。コロナ禍の事情でのレコーディングと想像できますが、サウンドは完成度を極めたようです。

オリジナル楽曲はどの曲も素晴らしく、ヒット・ポップスを並べたような充実のラインアップです。パレットに彩るようなゴージャスなサウンドと、軽快な質感はこの人ならでは。サックス演奏はもちろん、ギターのシャープなカッティングや、ベースのメロディアスなフレージングなど、音像の細部に耳が引きつけられます。

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