Adam Hawley 「Risin' Up」(2021)
ギター奏者アダム・ホーリーの4作目の新作は、息もつかせないギター演奏が圧倒的な秀作です。ホーリーはプロデューサーとしても売れっ子ですが、自作ではギター奏者としての実力を聴かせてくれます。ビート・ナンバーを中心にしたオリジナル曲も佳曲揃いで、アルバムを充実させています。
フィーチャー・ゲストに、スティーブ・コール(サックス)、ヴィンセント・インガラ(サックス)、ライリー・リチャード(サックス)、ジュリアン・ヴァーン(ベース)らが参加しています。ホーン・セクションを、マイケル・スティーバー(トランペット)、デヴィッド・マン、ドナルド・ハイズが手がけているのも注目です。
ゲストのソロの印象がかすむほど、ギターがパッセージを弾きまくります。速弾きにストロークを織り交ぜて、スタミナたっぷりのランナーのように疾走します。
オン・ビートのジャンプ・ナンバー「Gotta Get Up」「Risin' Up」や「Keep On Dancin'」は、パワフルなホーンやリズム・セクションの間を突き抜けるように、ギターのフレージングが昇降するハイライト曲です。
「Let's Get Down Tonight」や「Come On And Dance」もミディアムなテンポですが、横ノリで体が動くダンス・チューンで、スウィング感をキープしながらも多彩な表情を繰り出すホーリーのギターは初めから終わりまで聴き逃せません。
「On The One」はミッド・テンポのR&Bバラード。スタートから後半の盛り上がりまで、テクを駆使してもムーディーな音色がブレないベスト級の演奏です。
最後の曲「Tell Me You Love Me」はカバーのボーカル曲で、歌うのは奥さまのキャット・ホーリーです。オリジナルは、女優/歌手のデミ・ロヴァートのヒット曲(2017)。ホーリーはアコースティック・ギターの伴奏に徹しているところは、プロデューサーのスピリットを発揮した曲でしょう。
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