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2022年1月29日 (土)

Will Ackerman, Jeff Oster, Tom Eaton 「Brothers」(2021)

本作は、今年のグラミー賞ニューエイジ部門のベスト・アルバム賞ノミネート作品に選ばれました。

ニューエイジ・ミュージックの分野で活躍する3人、ウィル・アッカーマン(アコースティック・ギター)ジェフ・オースター(フリューゲルホルン/トランペット)トム・イートン(ピアノ/キーボード/パーカッション他)によるコラボ・アルバムです。

ウィル・アッカーマンはウィンダム・ヒル・レコードの創始者であり、1980年代にブームを起こしたニューエイジ・ミュージックの立役者です。70歳を超えた今でも現役で活動しています。

ジェフ・オースターは、アッカーマンのプロデュースで2004年に初めてのソロ・フル・アルバム『Released』をリリース。以降ソロ名義で5作品を発表しています。

トム・イートンは、ピアノ/キーボードやギター/ベース/パーカッション等も演奏するマルチ・プレイヤーであり、プロデュースやミキシング/マスタリングも手がけます。2016年からアンビエントなソロ作品を多数発表しています。アッカーマンとオースターの作品では、演奏やマスタリングで関わっています。

アッカーマンとオースターは近年、女性ボーカリスト/ピアノ奏者フィオナ・ジョイ(Fiona Joy)とギター奏者ローレンス・ブラット(Lawrence Blatt)を加えた4人で、フロー(Flow)というユニットを組んでいます。2枚のアルバム 『Flow』(2017)『Promise』(2019)を出していますが、いずれにもイートンが演奏やプロデュース/マスタリング等で参加しています。

かように3人はそれぞれの音楽活動で親交を重ねてきました。アッカーマンは本作CDライナーに、「今回のレコーディングは、夢にみたプロジェクトが幸運にも実現したようなもの。これはまさに兄弟(Brother)の作品なんだ。」と記しています。アルバム・タイトルに3人の関係が込められているようです。

全8曲は、3人の合作によるオリジナル曲。曲ごとの印象よりもアルバム全体の一体感が際立つ充実作です。包容力のあるオースターのフリューゲルホルンを、自然界の音粒のようにギターとピアノが包みこみます。

「The Golden Hour」の主旋律の美しさはこのアルバムを代表する曲でしょう。フリューゲルホルンからトランペットに変わるアレンジは、時空をイメージさせます。ギターやピアノのアルペジオの美音にも引きこまれる「Head For The Sky」や「You Make My Heart」も味わい深い曲です。

3人が奏でる旋律は清涼感とみずみずしい質感が立ちのぼり、映像的なイマジネーションが沸きたつはずです。

個人的には、かつてのウィンダム・ヒルの作品をリアルタイムで愛聴した世代として、あの時代を思わせるジャケットにも心動かされます。

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