« 2021年のベスト3+1 | トップページ | 訃報:Nick Colionne 「Finger Painting」(2020) »

2022年1月 9日 (日)

Dan Siegel 「Faraway Place」(2021)

ピアノ/キーボード奏者ダン・シーゲルの新作は、1980年のデビュー作から数えて22作目のアルバムです。コロナ禍のレコーディングとして例にもれず、リモートを活用して制作されたようです。タイトルの「離れた場所」とは、そんな状況を印したのでしょうか。

40年のキャリアでも異例とはいえ、多彩な曲と秀逸な演奏が並んだ充実した作品です。

参加したミュージシャンは、ブライアン・ブロムバーグ(ベース)ヴィニー・カウリタ(ドラムス)アレン・ハインズ(ギター)レニー・カストロ(パーカッション)エリック・マリエンサル(サックス)スティーヴ・ガッド(ドラムス)ら、過去作品でもお馴染みの顔ぶれです。

全11曲はシーゲルのオリジナル曲ですが、練ったアイデアを細部に盛り込んだ曲想や編曲が新鮮です。

ホーン・セクションでビートを際立たせた曲。ストレート・ジャズのアンサンブルによる演奏。そしてユニークなのは、ストリングスやコーラスを従えてクラシック音楽をモチーフにした曲です。

冒頭を飾る「Old School」は、ホーン・セクションがレトロなファンク・ジャズを思わせるハイライト曲。「Curves Ahead」も、ホーン・セクションが刻むビートがダンサブルな曲。ファンキーなオルガンが印象的です。

「Tied and True」は、シーゲルが愛聴するスティーリー・ダンをモチーフにしたという曲。ホーン・セクションとドラミング(スティーヴ・ガッド)が、”らしい”ところを思わせます。

「Something You Said」は、アコーディオン(シーゲル)が個性的に溶け合うジャズ・アンサンブル。「Faraway Place」は、シーゲルらしいメランコリーなメロディーがシャンソンのような味わいを思わせます。リリカルなピアノが美しく、ヨーロッパのジャズ・コンボのような透明感のある演奏。

「Your Smile」は、ヴィヴァルディ風のストリングスで始まる曲。ホーンやコーラスが加わり、バロック音楽のように爽やかな空気感です。

最後を飾る「Once Again」はストレートなジャズ・アンサンブルで、終盤にパワフルに盛り上がるピアノが絶品な好演。

シーゲルは2009年のアルバム『Sphere』以降、自身のプライベート・レーベルから作品を発表しています。『Indigo』(2014)『Origin』(2018)と続いて本作が4作目です。なかでも本作は、異なる曲想でも調和的バランスに引き込まれる愛聴盤になりました。

| |

« 2021年のベスト3+1 | トップページ | 訃報:Nick Colionne 「Finger Painting」(2020) »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 2021年のベスト3+1 | トップページ | 訃報:Nick Colionne 「Finger Painting」(2020) »