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2022年3月の3件の記事

2022年3月27日 (日)

Daryl Beebe 「Better Together」(2021)

デトロイト出身のサックス奏者ダリル・ビービの本作は、躍動感あふれる痛快な作品。

ビービの録音作品のスタートは、幼なじみだというサックス奏者ハリー・パットン(Harry Patton)と組んだゴスペル・ユニット<パートナーズ・イン・クライスト(Partners in Christ)>でした。アルバムは「The Covenant Project」(2006)と「Called」(2010)の2作品を発表しています。

その後、ソロとしてアルバム「The Daryl Beebe Project: Seasons Change」(2018)を発表。本作がソロ・アルバムの2作目になります。

サックスのスタイルはパワー・ブロウが特徴で、ソウルフルでエネルギッシュな演奏です。

キャッチーな「Road Trip」はヒット性充分のハイライト・チューン。グルーヴィーに飛び跳ねるテナー・サックスに思わず引き込まれます。かたやソプラノ・サックスでムードを盛り上げるのがミディアム・バラードの「Uninhibited」。

「Breathe」はメロウなソウル・チューンで、艶のある奏音でドライブするフレージングが聴きどころ。

「Unmasked」は自身のサイトでの紹介によると、コロナ禍のいまを引き合いに「マスクを着けていたらお互いを分かり合えないけれど。たとえマスクを着けていても微笑みの眼差しを忘れずに。」とメッセージを込めた曲。リズム・セクションのソリッドなビートをまとってスイングするサックスの疾走感がすばらしい好演です。

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2022年3月20日 (日)

Freddie Fox 「Limitless」(2020)

1200x1200bf60テネシー州出身のギター奏者フレディ・フォックスは、1980年代後半にサックス奏者ウォルター・ビーズリーのアルバム参加を始まりとして主にサイド・マンとして活躍しています。ナジーやマリオン・メドウズ、シンディ・ブラッドリー、ティム・ボウマン、ランディ・スコット、リン・ラウントゥリーなど多くのアーティストのクレジットに登場するスムーズジャズの世界に欠かせないギター奏者です。

ソロ・アルバムは『Freddie Fox』(2003)『Feeling' It』(2009)をリリースして、10年ぶりの本作が3枚目になります。

奥さまは、80年前後のディスコ全盛期に活躍した歌手のイヴリン・"シャンペン”・キングです。イヴリンは、「Shame」(1977)や「Love Come Down」(1982)などダンス・チャートでヒット曲を放ったディーバでした。2007年には12年ぶりとなるアルバム『Open Book』をリリース。フォックスが演奏や曲共作でサポートしていました。

さてフォックスの本作ですが、共作を含むオリジナル曲を中心にした11曲から成っています。サポート陣は、ボビー・ウェルス(キーボード)マイケル・ブローニング(キーボード)ブランドン・レーン(ベース)らを中心に、アレックス・アル(ベース)マイケル・ホワイト(ドラムス)らがリズムを固めています。奥さまのイヴリンもコーラスやリード・ボーカルで参加しています。サックス奏者マリオン・メドウズも「Sunshine」でソロ演奏を披露しています。

多彩なポップス・アルバムのように、ソフィスティケートなサウンドで貫かれたアダルト・オリエンテッドな作品。フォックスのギターは過度な主張の無い、自然体の心地いい演奏を聴かせてくれます。

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2022年3月13日 (日)

Rick Braun 「Rick Braun」(2022)

トランペット奏者リック・ブラウンの新作は、自身のレーベル<Brauntosoarus> からの初リリース作品です。デビュー作『Intimate Secrets』(1992)から30年目になるタイミングで、自身の名前を冠したタイトルに自信がうかがえます。

自作と共作によるオリジナル10曲は、バラエティに富んだ曲が並んで「ベスト・ヒット曲集」に匹敵する充実度。

「Turkish」はマンボの名曲「タブー」を思わせて、エキゾチックでも洗練したムードが印象的な曲。代表曲になりそうな佳曲です。

「The Color of Love」は、朗々としたフリューゲルフォルンが景色を描写するように響きます。ミディアムテンポのバラード「6th Street」はクールなミュート演奏で、こちらは摩天楼の夜景がイメージでしょうか。

サンバ風の「Back to Mallorca」は、ボーカリストさながらの”歌いっぷり”でオーラを放つ演奏。ちなみにタイトルは地中海のマヨルカ島ですが、『Can You Feel It』(2014)にずばり「Mallorca」という曲がありました。お気に入りのテーマなのでしょう。

ほかにもラテン・バラード「Amor De Mi Vida」に、70年代ソウル・ファンクに回帰した「Da Funk」にいたるまで、エンターテイナーさながらの多彩な展開です。

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