Andy Snitzer 「Higher」(2020)
サックス奏者アンディ・スニッツアーの新作(リリースは2020年10月)は、前作『American Beauty』(2015)からおよそ5年ぶりの作品です。
その間も、ジェフ・ローバー・フュージョン(JRF)に参加した『Prototype』(2017)と『Impact』(2018)では存在感を発揮していました。両アルバムの全曲でスニッツアーの演奏が聴けますが、楽曲はすべてジェフ・ローバーのオリジナル(ジミー・ハスリップとの共作を含む)で、スニッツアーの曲が無かったのが残念でした。JRFのスリリングなアンサンブルで、スニッツアーのオリジナル曲が聴いてみたかった。
さて今作では、スニッツアーはオリジナル新曲10曲を披露しています。特徴的ともいえるアンニュイなメロディーやソリッドなサウンドに、今回はポップな味わいが増しています。もちろんソウルフルなサックス演奏も際立つ秀作です。
本作はパンデミックの期間にリモートやダビングを駆使しての制作だったようです。キーボード奏者のアラン・マレット(Alain Mallet)が共同プロデュースを務めてキー・パーソンになっています。マレットは、かなり以前からスニッツアーの作品に参加するサポートの常連です。