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2022年4月23日 (土)

Andy Snitzer 「Higher」(2020)

サックス奏者アンディ・スニッツアーの新作(リリースは2020年10月)は、前作『American Beauty』(2015)からおよそ5年ぶりの作品です。

その間も、ジェフ・ローバー・フュージョン(JRF)に参加した『Prototype』(2017)と『Impact』(2018)では存在感を発揮していました。両アルバムの全曲でスニッツアーの演奏が聴けますが、楽曲はすべてジェフ・ローバーのオリジナル(ジミー・ハスリップとの共作を含む)で、スニッツアーの曲が無かったのが残念でした。JRFのスリリングなアンサンブルで、スニッツアーのオリジナル曲が聴いてみたかった。

さて今作では、スニッツアーはオリジナル新曲10曲を披露しています。特徴的ともいえるアンニュイなメロディーやソリッドなサウンドに、今回はポップな味わいが増しています。もちろんソウルフルなサックス演奏も際立つ秀作です。

本作はパンデミックの期間にリモートやダビングを駆使しての制作だったようです。キーボード奏者のアラン・マレット(Alain Mallet)が共同プロデュースを務めてキー・パーソンになっています。マレットは、かなり以前からスニッツアーの作品に参加するサポートの常連です。

演奏メンバーは、全曲に参加するマレット(キーボード)の他は曲ごとに、ゲーリー・ノバック(ドラムス)グラハム・ホーソン(ドラムス)マイケル・ホワイト(ドラムス)ベルント・ショーエンハート(ギター)ジェイムス・ハラー(ギター)ティム・ルフェーヴル(ベース)デイヴ・アンダーソン(ベース)などの顔ぶれです。

「I Close My Eyes」は、ソウル・スピリットを込めたサックスが絶品の演奏。フレージングに思わず感情移入してしまう沁みるバラードです。

「Non Stop」は、アシッドなビートに重奏のホーンがからんでアンニュイなムードが充満するサウンド世界。スニッツアーならではの突き抜けるサックスが聴きどころ。

「Higher」はドラマの展開を思わせて、スニッツアーのミステリックな引力に身を乗り出しまう佳曲。

「Bloom」は、ブルージーなリフとフレージングが応酬するソウルフルなナンバー。「Miracle」はポップで心地よい疾走感に、交差するサックスの熱い感触を実感できる好演。

ちなみにスニッツアーは、ポップスやロックのトップ・アーティスト、ポール・サイモンやサンタナ、ザ・ローリング・ストーンズらのバックを務める人気のサイド・マンです。

最近のセッションでは、ニューヨークのシンガー・ソング・ライター、エイタン・ミルスキー(Eytan Mirsky)の新作『Lord, Have Mirsky !』(2022)で客演をしています。中でも「Pile of Leaves」のパワフルなサックスは印象的です。

 

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