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2022年4月 3日 (日)

Kim Scott 「Shine!」(2022)

フルート奏者キム・スコットの5枚目となる新作です。前作『Free to Be』(2019)の路線を引きついで、安定感の増したサポート陣とのアンサンブルに、スコットのフルートが優雅に飛翔する秀作です。

前作同様に主な演奏は、ケルヴィン・ウーテン(キーボード、プロデュース)を中心にショーン・マイケル・レイ(ベース)、ジェームズ・”PJ”・スプラギンズ(ドラムス)、エリック・エシックス(ギター)らが固めています。

ゲストに、グレッグ・マニングアダム・ホーリーブレーク・アーロンジョナサン・バトラーらが参加しています。

冒頭を飾る「Back Together Again」(マニングとの共作)は、疾走感のあるリズムに乗ってフルートが飛び回るキャッチーなナンバー。「Shine!」(ホーリーとの共作)はゆるめのテンポに、ギター(ブレーク・アーロン)と交差するクールな佳曲。

「Off The Top」(ウーテンとの共作)は常連メンバーとのアンサンブルが光る、エネルギッシュな表情も見せるスコットのフレージングが絶妙の好演です。

スコットは、毎回ハイライトとなるカバー演奏を披露しています。今まで「People make the world go' round」(スタイリスティックス)、「Rain」(ジャコ・パストリアス/SWV)、「Billie Jean」(マイケル・ジャクソン)や「The Prayer」(デイヴィッド・フォスター)といった有名ヒット曲を正面から取り上げてきました。

今回は「I'm Every Woman」(チャカ・カーンやホイットニー・ヒューストンなど)で、ゲストにアルティア・ルネレーガン・ホワイトサイドを迎えて女性フルート奏者トリオによる演奏。3人の掛け合いが絡みあいながらも力強い一体感が圧巻の演奏です。

カバーは他にも2曲。「Butterfly」はハービー・ハンコックの代表曲。ハンコックの有名レパートリーですが、アルバム『Dis Is Da Drum』(1994)でフルート奏者フューバート・ロウズをフィーチャーしたバージョンを思いおこします。「Love」 は、ゴスペル歌手カーク・フランクリンの曲。

ところで、スコットはホリデイ・シングルとして「Five Favorite Things」(2020)をリリースしています。この曲は、デイヴ・ブルーベック・カルテットの名演「Take Five」と名曲「My Favorite Things」を”合体”した演奏です。そのユニークなアイデアに唸らされる素晴らしい演奏です。アルバムには未収録の配信のみの曲ですが、必聴です。

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