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2022年5月 5日 (木)

Darren Rahn 「Rock The World」(2022)

サックス奏者ダレン・ラーンの本作は、デビュー作『Soulful』(2004)から数えて7枚目となる新作です。

6枚目の前作『Hymns from the Heart』(2018)は、伝統的な賛美歌やゴスペル曲を、セルフ・ダビングによるピアノとのデュエットで演奏した作品。イースター(復活祭)を祝して制作したというスピリチュアルな企画作品で、ヒーリング・ムードにひたれる秀作です。

そして今作は、路線的には5枚目の『Sonic Boom』(2016)以来久しぶりのエネルギッシュなサックス演奏とサウンドが聴ける作品です。キャッチーなオリジナル曲も佳作揃いで、隙のない力作です。

サポートでは常連のふたりメル・ブラウン(ベース)とタレル・マーティン(ドラムス)に加えて、アダム・ホーリー(ギター)ポール・ジャクソン・ジュニア(ギター)アレン・ハインズ(ギター)らが演奏を固めています。フィーチャー・ゲストに、デイヴ・コーズ(サックス)ブライアン・ブロムバーグ(ベース)ブライアン・カルバートソン(ピアノ)らも参加しています。

ホーン・セクションを配したパワフルな楽曲が際立っています。

なかでも3人のテナー・サックス奏者、デイヴ・コーズ、ナジー、エヴァレット・ハープを迎えた「The Perfect Storm」(ラーンとコーズの共作曲)は必聴です。エンディングに向けて4人が交差するバトルは圧巻。

「Funky D」もビートが波打つファンク・ナンバー。ラーンのパワーが全開する痛快な演奏。「Rock The World」も弾けるナンバーで、旋回するサックスと速射砲のようなドラムス(タレル・マーティン)の圧力が押しよせます。

かたやスロウな楽曲では、思い入れたっぷりの豊潤な演奏が魅力です。

「Caught Up In You」はメロウなバラードで、ラーンのソプラノ・サックスとカルバートソンのピアノのインタープレイが絶品。「Table For Two」は、ロマンティックなR&Bバラード。感情をこめた泣きのテナー吹奏が沁みます。

「Cry」では、アルト・サックスのソフトなトーンでメランコリックに奏でる技ありの好演。「Everlasting」は、キャッチーなリフとダンス・ビートのポップな曲。セクシーな音色のフレージングにグッと引きこまれます。

ところでラーンは、いまやプロデューサーとしても目覚ましい活躍ぶりを見せています。デイヴ・コーズ、エリック・ダリウス、ティム・ボウマン、ヴェンセント・インガラ、ニック・コリオーネ、ナジー、ジュリアン・ヴォーン、ジョナサン・フリッツエンなどなど、手掛けた多くのアーティストはスムーズジャズ界のトップ級がずらりと並びます。

プロデューサーとしてのキャリアは、ベース奏者ウェイマン・ティスデイルの作品で始まりました。『Hang Time』(2004)では1曲(「Ain't No Stoppin' Us Now」)でしたが、続く『Way Up!』(2006)と『Rebound』(2008)ではそれぞれおよそ半数の曲をプロデュースする実績で頭角をあらわしました。特に『Way Up!』は、今でも必聴の「名盤」だと思います。

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コメント

パワフルそうなSAXだ!と思わせるアルバムカバー写真ですね。
The Perfect Storm 聴いてきました!
なんとまぁ豪華なサックス奏者の共演。バトルがいいですね。
もっと聴かせて欲しいというところで終わってしまいました
サックス奏者のバトルはJuju/Marcus Miller以来久々に気に入りました。
特に好きなエヴァレット・ハープの名前は嬉しいです。ひさしぶりに名前を見ました。
素敵なアルバムの紹介ありがとうございます!

投稿: sugi | 2022年5月 5日 (木) 22時09分

いつもコメントありがとうございます。
マーカス・ミラーの「Juju」聴き直しました、なるほどですね!
エヴァレット・ハープはしばらくアルバムが出ていませんね。新作が待ち遠しいです。
これからもよろしくお願いします。

投稿: UGASAI | 2022年5月 6日 (金) 14時08分

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