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2022年6月19日 (日)

Najee 「Savoir Faire」(2022)

サックス奏者ナジーの新作は、ジャケットで着こなす色あざやかなシャツように、多彩な聴きどころが満載の充実作品です。

ベテランから新鋭まで多様なアーティストとのコラボレーションやセッション、オリジナルからカバー曲にいたるバラエティな選曲、ソフィスティケートで洗練されたサウンド、隅々まで魅力的な内容です。

「Dr.Dolittle」は、70年代後半から活躍しているジャズ・ピアニストのフランク・ウィルキンスを迎えた、ウィルキンスのオリジナル曲の演奏です。ナジーのリリカルなソプラノが主役ですが、ウィルキンスのファンキーなピアノ・ソロも光っています。

「Valentine Love」は、70年代に活躍したベース奏者マイケル・ヘンダーソン作の名曲(オリジナルはヘンダーソンとジャン・カーンのデュエット)。ソウルフルなボーカルは、80年代に活躍した女性R&B歌手のアリソン・ウィリアムズ。ナジーの、シルキーでも艶のあるソプラノ演奏が絶品です。

「Bottom to the Top」は、多くのセッションで活躍するベース奏者デヴィッド・ダイソンのオリジナル曲。ナジーは中盤からテナーに替えてフルートを演奏しています。ダイソンのダイナミックなチョッパーに目が覚めます。

新鋭キーボード奏者マーク・ハリスIIとのコラボは、ハリスのオリジナル曲「Luna」。闊達にはねまわる個性的なハリスのピアノと、おおらなナジーのフルートがからんだ痛快なインタープレイです。

「Happiness (A Felididade)」は、アントニオ・カルロス・ジョビン名曲のカバー演奏。ボーカルはR&B歌手のカーティス・キング・ジュニア。シカゴ出身のプロデューサー、ロバート・ヒバートが率いるボサノバ・ノーツなるセッション・グループに集まったブラジルとシカゴのミュージシャンがバックを固めています。

ヒバートは、ブラジル音楽とシカゴ・ソウルをクロスオーバーした新作を制作しているそうです。昨年のホリデイ・シングル「Gift of Heart (Christmas in Rio)」は、そのプロジェクトの予告編的トラックで、ナジーとキング・ジュニアがフィーチャーされていました。今回も、そのセッションから生まれた演奏でしょう。

ナジーをサポートする常連バリー・イーストモンド(プロデュース、キーボード)が今回も関わっています。

ふたりの共作「Isla Hermosa」「Hurricane」「Savoire Faire」は、洗練されたメロディーが光る佳曲です。

「Isla Hermosa」でのテナーは輪郭が浮き立つ演奏で、包容力をこめたフレージングに引き込まれます。聴き逃せない好演です。

ナジーは、今作に限らずキャリアを通して、ソプラノ、テナー、アルトの3種サックスに加えて、フルートも操る名手です。

デビュー(1986年)当時のアルバムでは、ソプラノを中心にアルトは数曲という構成でした。その後、フルートそしてテナーを演奏するようになりました。満遍なく使い分けていますが、近年はテナーの演奏が多いようです。

個人的にはフルートの演奏に惹かれます。20年以上前の作品ですが『Plays The Songs From The Key of Life』(1995)は、半数の曲でフルートを演奏している代表作です。ジョージ・デュークのプロデュースによる、スティービー・ワンダーの『The Key of Life』全曲をカバーした力作。なかでも、フルートによる「Sir Duke」は必聴のハイライト演奏です。

今回の新作では単独のフルート演奏曲は2曲ですが、ソプラノやテナーからフルートに持ち替える曲もあり新鮮な試みを披露しています。フルートの登場曲は都合4曲ですが、アルバム全体のエレガントな印象を深めています。

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コメント

Najeeの新作ですね。
最初はソプラノという印象でしたが、楽器が多彩でフルートいいですね。最近(でもありませんが)Phil Perryをフューチャーした曲のビデオでフルートを吹きまくっている姿が印象的でした。
今回は持ち替える曲もあるのですか!楽しみです

投稿: sugi | 2022年6月19日 (日) 15時51分

コメントありがとうございます。
ご指摘の曲は「Just To Fall In Love」のビデオですね。YouTubeで見直しました!
ナジーには、いつかフルートだけでアルバムを作って欲しいのですが。。。

投稿: UGASAI | 2022年6月21日 (火) 20時52分

かなりお久しぶりです。yama_chanです。
CDでちゃんと聴いてからということで遅くなりました。
「Luna」に一目惚れで買いました。フルートが効いたアルバムですね。最高です。Lunaはピアノがとっても素敵です。これだけ色々スームースジャズを聴いていてNAJEEは初購入です。申し訳ない限り… 「Happiness」も良いよな- ボサノバは好き!しかもフルートだぜ!本当にフルートだけでアルバム出して欲しいよな~ 個人的には「Hurricane」は乗れる、乗れる、曲でまいった~。おいおい「Bottom To The Top」では持ち替えですか、やるね~。全曲を聴いて、すごく幅が広くて愛聴盤になりそうです。
しばし、おいとましていたので、最近の小生のヘビーローテーションをご紹介…
1.「STUDIO CITY」THE SUPER HIGHWAY BAND (アメリカンブラスフュージョン)
2.「A MIDNIGHT RENDEVOUS」DAVID BENOIT (ヨーロッパの正統派スムーズジャズ)
3.「THE INSTRUMENTALS」MIDAS HUTCH (オランダのインスト ディスコ クラブミュージック)
特にびっくりは、久しぶりにディスコいいよなと思った、3.を買ってすぐに、U-NAMが California Funk Machine をリリースしたという話を聞いて、あれあれそうなんや と思いました。小生的には U-NAMは Vol.2の方がお気に入りです!
それでは、また


投稿: Yama chan | 2022年7月29日 (金) 23時58分

コメントありがとうございます。
ご紹介の、1と2は知りませんでした。さっそくチェックしてみます。
ユーナムの最新作もディスコ寄りとのことで、まだ手を出せずに未聴です。これもチェックしてみます。情報ありがとうございます。

投稿: UGASAI | 2022年7月31日 (日) 10時43分

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