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2022年9月11日 (日)

Eric Darius 「Unleashed」(2022)

エリック・ダリウスは、オーラを放つボーカリストさながらに表現豊かに”歌う”サックス奏者です。ビートに乗るエネルギッシュなシャウトから、バラードではソウルフルで雄弁な吹奏に魅了されます。

前作『Breakin' Thru』(2018)は、自身のプライベート・レーベルからの初めての作品でした。それから4年ぶりの2作目、通算8作目となる新作は、過去作品をしのぐ個性を発揮したベスト級のアルバムです。

今作のプロデュースは、フィリップ・ラシター(Philip Lassiter)が務めています。

米国アラバマ州出身のトランペット奏者ラシターは、マルチ演奏家/作編曲家/プロデューサーとして活躍する気鋭のアーティストです。プリンスのホーン・セクションへの参加から、アリアナ・グランデ、カーク・フランキン、ジル・スコット、アル・ジャロウ、など多くのメジャー・アーティストと共演しています。自身のソロ・アルバムや、リーダーとして率いるファンク・バンドのフィルシー(Philthy)名義の作品も発表しています。ソロ名義の最新作は『Live In Love』(2021)です。

さて本作は、ほぼ全曲をダリウスとラシターが共作。ホーン・セクションを配したビートフルな曲から、ヒップホップやR&B/ファンクなど多彩な楽曲が並んでいます。

バック・サウンドの面子は、ドラム奏者ジョー・オーティス(Joe Otis)、 ベース奏者ルミエル・エグルストン(Rumeal Eggleston)、キーボード奏者ザビエル・タプリン(Xavier Taplin)、ギター奏者セルゲ・デミトリエヴィク(Serg Dimitrijevic)、ギター奏者エリック・ウォールズ(Erick Walls)、ベース奏者モノネオン(MonoNeon)など、いずれもジャズ/R&B/ファンク系の名うてのミュージシャンです。ラシターの活動周辺からの集合のようです。

「Unleashed」は、重量級のホーン・セクションを従えて、ダリウスが炸裂するハイライト曲。ラシターの突き抜けるトランペット・ソロも聴きどころです。

「Rollin' Out」は、ギャップ・バンドを思わせるファンクなダンス・チューン。ダリウスのかっこよさは大歓声が聞こえるよう。

「About Last Night」は、ダリウスのサックスが語るように奏でるロマンティックなバラード曲。美メロを繰り出すピアノ・ソロはザビエル・タプリン。

「Grateful」は歌もので、ボーカルはエリック・ロバーソン(Eric Roberson)。歌間に滑り込むダリウスがスウィート&メロウな好演。

「Swerve On」はスロウなR&Bナンバーで、繊細なフレージングから感情を高めるようにヒートアップするダリウスのサックスが圧巻の演奏です。

「Say That Love Me」は、オランダのメトロポール・オーケストラをバックに、ジャズ・シンガーのレベッカ・ジェイド(Rebecca Jade)が加わった、ムードが盛り上がるバラード曲。シンクロするふたりの”デュエット”に引きこまれます。

ラストの曲「Summer Feeling」は、ラシターのプロデュースではない2年前に単発で発表したシングル曲の収録。レゲエ調のリズムがタイトルをイメージするパーティー・チューンという感じ。ゲストは、ポール・ジャクソン・ジュニア(ギター)。

今作は、フィリップ・ラシターとのコラボが大成功の充実作品です。

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コメント

初聴きのSAXプレイヤーでした。
メンバーもポールジャクソンJr以外知らなかったです笑
ちょっと懐かしい感じがするアレンジの曲なのですね。
Rollin' Out ギャップバンドなるほどです。
だからそう感じるのかな。

投稿: sugi | 2022年9月11日 (日) 21時32分

コメントありがとうございます。
YouTubeで、本人がこの新作について紹介しているビデオが見れます。
パーソネル情報などはそれを参考にしました。
ダリウスの演奏が輝いている良作だと思います。

投稿: UGASAI | 2022年9月14日 (水) 08時50分

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