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2023年4月 8日 (土)

Michael Broening 「Never Too Late」(2023)

本作は、プロデューサーとして活躍著しいマイケル・ブローニングの初ソロ・アルバムです。

ロサンゼルス出身のブローニングは、アリゾナ州フェニックス市郊外に自身のスタジオをかまえて活動する音楽家です。キーボード奏者であり作編曲家およびプロデューサーとして、キャリアは20年を超えます。

この人のクレジットは以前から多くの作品で目にしていたので、ただものではないなと注目していました。過去に紹介した作品では、シンディ・ブラッドリーの『The Little Things』(2019)やレブロンの『Undeniable』(2019)は、ほとんどブローニングの作曲/演奏/プロデュースによる秀作で、洗練された音楽性が記憶に焼きついています。

その2作に限らず、プロデューサーとしての仕事は、マリオン・メドウズを皮切りに、スティーヴ・オリバー、マイケル・リントン、ティム・ボウマン、リン・ラウントゥリー、アルティア・ルネ、ランディ・スコット、ゲリー・オーナーら他数々のアーティストを手がけています。

キャリアの初期には、アリゾナを拠点に活動したバンド<ターニング・ポイント>のメンバーでした(1995年ごろ)。このバンドは、ギリシア出身のギター奏者、サノ・サーナス(Thano Sahnas)と兄弟のデミトリ(Demitri Sahnas)を含む4人組で、数作のアルバムを残しています。(残念ながら音源はYouTubeでも見つかりませんでした。)

ちなみに、サーナス兄弟は現在も<ザ・サーナス・ブラザーズ>として演奏活動しています。サノ・サーナスは本作にゲスト参加しています。

その他本作のフィーチャー・ゲストには、マリオン・メドウズ(ソプラノ・サックス)、アルティア・ルネ(フルート)、リン・ラウントゥリー(トランペット)、ランディ・スコット(サックス)、ロベルト・レストゥシア(ギター)ら、豪華な布陣が登場します。

ブローニングのピアノ演奏をちりばめているのは当然ですが、ゲスト陣にもスポットをあてたサウンドはプロデューサーらしさを発揮した上質な作品です。

「Shine A Light」は、軽快かつドラマチックなアレンジが素晴らしいハイライト・トラック。オルガンやホーンにギターやコーラスを加えた彩色豊かなサウンド。ギター演奏はサノ・サーナスで、ドラム演奏を務めるジョン・エレーラも<ターニング・ポイント>のかつてのメンバーです。

「Fire In The Sky」は、エキゾチックなフレージングに引きこまれる佳曲。アルティア・ルネのフルートとブローニングのピアノの競い合いがとびきりの疾走感です。

「The Way She Moves」は、R&Bテイストのソウルフルなバラード。ブローニングのピアノはブルージーなタッチを披露して、硬派な印象を深める好演です。情熱的なランディ・スコットのサックスも聴きどころです。

全10曲キャッチーでポップな自作曲を洗練された編曲とサウンドで作り上げた、隙のない力作。

タイトルいわく、けっして遅すぎることのないデビュー作です。

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