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2023年11月18日 (土)

Justin Klunk 「Kindness Is Mandatory」(2023)

ジャスティン・クランクは、ロサンゼルスを拠点に活動する新鋭のサックス奏者です。

高校時代に、デイビィッド・ベノワが主催するアジアン・アメリカン・ユース・オーケストラに参加してプロを目指したそうです。プロの演奏家としては、アリアナ・グランデや、シンセウェーヴ・バンドのザ・ミッドナイト、インディーポップ・バンドのセイント・モーテル、デイビィッド・ベノワ、ディビット・フォスターらロック/ポップス/ジャズの人気アーティストのツアーやレコーディング参加のキャリアを積んでいます。

ソロ作品は、2枚のEPサイズ・アルバム『Justin Klunk』(2013)と『Clarity』(2016)を自主リリースして、今回はフル・アルバムの新作です。自身作曲のオリジナル曲を中心にした10曲(2曲はカヴァー)で、サックスはアルト、テナー、ソプラノを演奏しています。

最新のロックやポップスのエッセンスを吸収してクリエイティビティを発揮した楽曲とサウンドは、Z世代のインスト・ポップスといえます(1990年生まれのようです)。

エネルギッシュで活き活きとしたサックス・スタイルですが、ギアを上げたフレージングの連続など巧者な面もアピールしています。

キャッチーなリフが印象的な「Radio」は、骨太なリズム・セクションにも引きつけられるヒット性十分の佳曲。ドラマチックな曲想の「Dive」では、エモーショナル満点なフレージングが聴きどころの好演。

「Thunder」と「Coastline Sunset」では、ゲストでベノワがピアノ演奏で加わる熱量のあるフュージョン・アンサンブル。

「Midnight」は、『Clarity』に入っていたオリジナル曲の再演。以前はテナー・サックスの演奏でしたが、今作ではソプラノ・サックスを演奏しています。アップデートしたサウンドは旧演をしのぐパフォーマンス。カッティング・ギター(パット・レクターという人)を起用した臨場感の素晴らしいトラックです。

2曲のカヴァー演奏は、チャカ・カーンの「Ain’t Nobody」(1983)とマライヤ・キャリーの「Someday」(1990)。王道的な大ヒット・ポップスを取り上げたところにこの人の個性があらわれています。

クランクのミドル・ネームは“ケンジ”だそう。日系ルーツのひとらしいです。エンタテインメント性のある新しい才能の登場を予感させる、注目のアーティストです。

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