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2023年11月 3日 (金)

Euge Groove 「Comfort Zone」(2023)

サックス奏者ユージ・グルーヴの新作は、長年にわたるサポート常連のふたり、トレーシー・カーター(キーボード)にコーネリアス・ミムス(ベース)と全面的に制作(演奏、楽曲共作、共同プロデュース)を手がけた13枚目となるオリジナル作品です。

同じく旧来のサポート陣ジョン・スミス(ギター)やトレヴァー・ローレンス・ジュニア(ドラムス)らが加わった手堅い演奏がグルーヴを引き立てています。

スミスとローレンス・ジュニアは、グルーヴの第5作『Born 2 Groove』(2007)から起用されて以降ほとんどの作品に参加していますが、共同プロデュースにクレジットされるのは初めてのようです。

ポップスやジャズやR&Bのエッセンスをちりばめて洗練を極めたサウンドと、アイデアがふんだんに盛り込まれたアレンジは、信頼関係から生まれた成果に違いありません。

爽やかなソプラノに酔わされる「Measure For Measure」から始まり、グルーヴ"印"といえるシャッフルが踊る「Walkin’」。都会的でクワイエット・ストームのムードが満点な「Up Close」。遠慮がちなダンスビートにピュアでクリーンなサックスが揺らぐ「Comfort Zone」など、佳曲ぞろいです。

「Let’s Hold Hands」は、ゲストのディノ・ソルド(Dino Soldo)によるハーモニカをフィーチャーしたハート・ウォーミングな注目曲。

ロサンゼルスを拠点に活動するソルドはサックスからギターやキーボードをこなすマルチ奏者でシンガー・ソングライター。タワー・オブ・パワーのサックス奏者や、レナード・コーエンのツアー・メンバーなどのキャリアを有するアーティストです。複数のソロ・アルバムも発表しています。

「Junior」は、60年代に活躍したR&Bサックス奏者ジュニア・ウォーカーをタイトルに掲げたビート・トラック。振り切り気味のソウルフルな熱いブローが、ウォーカーを彷彿とさせます。

最後はヴォコーダーが意表をつくカバー演奏「Please Mr.Groove」。原曲は70/80年代のファンク・バンド、ワン・ウェイのヒット曲「Mr.Groove」(1984)。オリジナルを再現するヴォコーダー演奏はリチャード・エリオットで、アルト・サックスのキャンディ・ダルファーも加ってディスコ・ビートがループする楽しいトラック。

グルーヴは、今年還暦を迎えたそうです。信頼の厚い旧来のサポート陣と創りあげた本作は、記念的な作品としても相応しい秀作です。

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