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2024年3月の3件の記事

2024年3月24日 (日)

Erik Verwey & Hermine Deurloo 「About A Home」(2023)

オランダのハーモニカ奏者ハーマイネ・デューローの新作は、ピアノ奏者エリック・ヴェーウェイのトリオに加わりスタジオ録音した演奏集。他メンバーは、ドイツ出身のベース奏者ヘンドリック・ミュラー(Hendrik Müller)とドラム奏者ダニエル・ヴァン・ダレン(Daniel Van Dalen)。

カヴァー1曲をのぞく全10曲はヴェーウェイによる作曲。ヴェーウェイは、映像作品の作曲やクラブなどでの演奏でキャリアをつんだ音楽家です。自身がリーダーのトリオは、今作と同じメンバーでデビュー作『People Flow』(2019)を発表。そのアルバムを聴いてデューローが今回の共演を呼びかけたそうです。

先に出ていたデューローの『Splendor Takes』で、ヴェーウェイをむかえてデュオ2曲を披露していました。その2曲(「What Do You See」と「Mother’s Lament」)は、本アルバムでも新しいテイクで収録されています。

ヴェーウェイの楽曲はシャンソンやタンゴの味わいもある多様な曲が並んで、作曲の才能も光ります。相性のよさを発揮したふたりの上品なインタープレイに引きこまれます。

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2024年3月17日 (日)

Marc Jordan 「Waiting For The Sun To Rise」(2023)

カナダのマーク・ジョーダンはキャリア40年を超えて、76歳の今も現役のシンガー・ソング・ライターです。70年代後半に人気をあつめたAOR系アーティストのひとりとして注目されました。デビュー作『Mannequin』(1978)や2作目『Blue Desert』(1979)はAOR時代を代表する必聴盤でしょう。

初期の西海岸サウンドの方向性は、以降は時代をへてロックからカントリー色に傾いても数々の良作につながり、時にはジャズ寄りのアプローチも聴かせるなど幅広い音楽性で歌作りをつづけています。

近年は、70歳をむかえて発表した『Both Sides』(2019)はポップスやスタンダードを取りあげて円熟したボーカリストの妙を発揮した作品でした。直後の『He Sang She Sang』(2022)では奥さまのエイミー・スカイと組んで王道的なデュエットで光るハーモニーを聴かせてくれました。

ちなみに『He Sang She Sang』は、カナダのグラミー賞とたとえられるジュノー賞の2022年度アダルト・コンテンポラリー・アルバム部門のノミネート作品に選ばれています(受賞はマイケル・ブーブレ『Higher』でしたが)。

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2024年3月 3日 (日)

紳士の呼び名でたたえたいラムゼイ・ルイスの生涯『Gentleman of Jazz: A Life in Music』by Ramsey Lewis, with Aaron Cohen (2023)

キーボード奏者ラムゼイ・ルイスは、2022年9月12日に87年の人生に幕を閉じました。生涯にわたり故郷シカゴを拠点に70年にせまるキャリアを重ねて、80アルバムをこえるリーダー作や参加作品を残しました。

本書はルイスのオーラル・メモアール(口述回顧録)で、共著者アーロン・コーエン(Aaron Cohen)が2年以上にわたる本人へのインタビューをまとめたものです。残念なことに、ルイスは本書を手にする前に旅立ちました。多くの関係者へのインタビューも交えて、クラシックを学んだ幼少期からジャズの世界での活躍、時代ごとの作品や音楽活動を中心に、家族のことも触れて語りつくしています。

コーエン氏いわく、60/70年代のジャズ界には破天荒な音楽家が多く、波乱に満ちた人生を過ごした数々のレジェンドが歴史に刻まれています。そんな中で、ルイスは愛する家族や仲間に囲まれて地域の音楽教育にも貢献するなど、紳士的で幸福な人生を送った稀有な存在でありました。

本書の面白さはやはりルイスが明かす名盤や名演奏、共演した音楽家との交流のエピソードの数々です。

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