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2024年3月24日 (日)

Erik Verwey & Hermine Deurloo 「About A Home」(2023)

オランダのハーモニカ奏者ハーマイネ・デューローの新作は、ピアノ奏者エリック・ヴェーウェイのトリオに加わりスタジオ録音した演奏集。他メンバーは、ドイツ出身のベース奏者ヘンドリック・ミュラー(Hendrik Müller)とドラム奏者ダニエル・ヴァン・ダレン(Daniel Van Dalen)。

カヴァー1曲をのぞく全10曲はヴェーウェイによる作曲。ヴェーウェイは、映像作品の作曲やクラブなどでの演奏でキャリアをつんだ音楽家です。自身がリーダーのトリオは、今作と同じメンバーでデビュー作『People Flow』(2019)を発表。そのアルバムを聴いてデューローが今回の共演を呼びかけたそうです。

先に出ていたデューローの『Splendor Takes』で、ヴェーウェイをむかえてデュオ2曲を披露していました。その2曲(「What Do You See」と「Mother’s Lament」)は、本アルバムでも新しいテイクで収録されています。

ヴェーウェイの楽曲はシャンソンやタンゴの味わいもある多様な曲が並んで、作曲の才能も光ります。相性のよさを発揮したふたりの上品なインタープレイに引きこまれます。

「An Encounter」と「What Do You See」は、ヴェーウェイがデビュー作で発表していた楽曲。今作ではデューローをフィーチャーして魅力がアップデートしています。

「Keep On Chasing」は早めのピッチで快走するアップテンポな佳曲。チック・コリアの名曲「スペイン」を想起させるリフがキャッチーで、ヴェーウェイのピアノもコリアばりにアタックを強調したフレージングが聴きどころ。

カヴァーは「Love Them from “Spartacus”」で、ゆったりとして情緒的な演奏を聴かせます。同曲を好んでレパートリーにしていたビル・エバンスと、カヴァー演奏も残したトゥーツ・シールマンスへのオマージュでしょうか。ちなみに、エバンスとシールマンスが共演した名盤『Affinity』(1979)では同曲は取り上げていませんが、レジェンドふたりの共演を想像してしまうヴェーウェイとデューローの好演です。

ふたりのセットは現在オランダの各地でツアーを実施中のようです。熱量のあるライブ録音の発表を期待します。

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