Norman Brown 「It Hits Different」(2024)
ノーマン・ブラウンの新作は、3人のプロデューサーによる各セッションを収めたアルバム。常連のポール・ブラウン(6曲)とフィル・デイビス(1曲)に加えて、注目はワーリー・モリス(Wirlie Morris)との4曲です。
モリスはかつて、ブラウンの秀作『West Coast Coolin'』(2004)でタイトル曲を含む4曲の共作と演奏(キーボード等)に参加していた人。プロデューサーや作曲家/サイドマン(ボーカルやキーボード等)として、歌手のレマー(Lemar)やフレディ・ジャクソン(Freddie Jackson) ジョニー・ギル(Johnny Gill)をはじめとするR&B/ブラック・コンテンポラリー系のアーティストらを中心に共演実績を重ねています。
モリスが手がけた今作のタイトル曲や「Wings of Love」は、モリス自身のボーカルをフィーチャーしたうっとりするブラコン・ナンバー。ブラウンの音色とフレージングが、アーバンなムードをもり上げています。中でも「Anything」は、ブラウンのソフィスティケートな演奏が輝く決定的なトラックです。
かたやP・ブラウンとはひいきのサポート陣、シェーン・テリオ(キーボード、ギター等)やロバート・ヴァレー(ベース他)に加えて、スパイロ・ジャイラのトム・シューマン(キーボード)やマーク・エサレッジ(キーボード)らゲストが鉄壁のサウンドを固めています。
「Chicken Shack」や「Can't Stop Tryin'」は、グルーヴのスウィッチを入れたブラウンがやっぱり絶品。「Strollin'」では、シューマン(キーボード)のさりげなく美しいタッチが聴きどころです。
モリスが手がけた曲はヒット性を感じる佳曲ですが、一方でP・ブラウンとはいつもの路線とはいえ、個人的にはこれぞと安心感が高まるノーマン・ブラウンが堪能できます。
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