ポップス界の名プロデューサー、リチャード・ペリーの回顧録:『Cloud Nine : Memoirs of a Record Producer』by Richard Perry(2021)
リチャード・ペリーは、1970年代〜80年代に数多くのヒット・アルバムを生み出した、米国ポップス界を代表する人気プロデューサーです。本書はペリー自身による自伝で、手がけたヒット作品を中心に私生活も振り返った回顧録です。
題名の「クラウド・ナイン」とは至福をあらわす決まり文句ですが、ペリーが23歳で始めたレコード制作会社「Cloud Nine Productions」にも命名した言葉です。半世紀を超えるプロデューサー人生が、事業も私生活も成功に彩られた至福の歩みであったことを物語っているようです。
私自身個人的にも愛聴してきたニルソンの『Nilsson Schmilsson』(1971)やカーリー・サイモンの『No Secrets』(1972)、アート・ガーファンクルの『Breakaway』(1975)に加えて、バーバラ・ストライザンド、リンゴ・スター、ポインター・シスターズ、レオセイヤー、ダイアナ・ロス、ティナ・ターナー、ロッド・スチュワートらそうそうたるスター達とのレコード制作に関わるストーリーの数々に引き込まれます。