The 3 Keys 「We 3 Keys」(2023)
本作は3人のキーボード奏者、ボブ・ボールドウィン、ゲイル・ジョンソン、フィル・デイヴィスによる、ザ・スリー・キーズ(The 3 Keys)と名乗るユニットの初アルバムです。
ニューヨーク出身のボールドウィンは、本サイトでも過去作を何度か紹介してきましたが、言うまでもなくスムーズジャズを代表するアーティストのひとり。
フィラデルフィア出身のジョンソンも、ジャズ・イン・ピンクの作品や近年作『Joy!』で実証済みの実力派です。
デイヴィスはアトランタ出身の音楽家で、ボニー・ジェイムスやジョージ・ハワード、アル・ジャロウ、ウォルター・ビーズリー、ノーマン・ブラウンらと共演や楽曲提供で活躍してきた人。ソロでは『Philosophy』(2008)など数作を発表しています。地元の音楽教育にも従事していて、アトランタにあるクラーク大学音楽学部の副教授を務めているようです。
3人が奏でる鍵盤楽器、ピアノからエレキピアノ(フェンダーローズ)にモーグなどのシンセサイザーが自由に交錯して、”クワイエット・ストーム”でメロウな音楽世界が展開します。白熱するようなインタープレイは飛び出しませんが、リラックスした中にもグルーヴが共鳴する秀作です。