カテゴリー「サックス」の157件の記事

2023年11月18日 (土)

Justin Klunk 「Kindness Is Mandatory」(2023)

ジャスティン・クランクは、ロサンゼルスを拠点に活動する新鋭のサックス奏者です。

高校時代に、デイビィッド・ベノワが主催するアジアン・アメリカン・ユース・オーケストラに参加してプロを目指したそうです。プロの演奏家としては、アリアナ・グランデや、シンセウェーヴ・バンドのザ・ミッドナイト、インディーポップ・バンドのセイント・モーテル、デイビィッド・ベノワ、ディビット・フォスターらロック/ポップス/ジャズの人気アーティストのツアーやレコーディング参加のキャリアを積んでいます。

ソロ作品は、2枚のEPサイズ・アルバム『Justin Klunk』(2013)と『Clarity』(2016)を自主リリースして、今回はフル・アルバムの新作です。自身作曲のオリジナル曲を中心にした10曲(2曲はカヴァー)で、サックスはアルト、テナー、ソプラノを演奏しています。

最新のロックやポップスのエッセンスを吸収してクリエイティビティを発揮した楽曲とサウンドは、Z世代のインスト・ポップスといえます(1990年生まれのようです)。

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2023年11月 3日 (金)

Euge Groove 「Comfort Zone」(2023)

サックス奏者ユージ・グルーヴの新作は、長年にわたるサポート常連のふたり、トレーシー・カーター(キーボード)にコーネリアス・ミムス(ベース)と全面的に制作(演奏、楽曲共作、共同プロデュース)を手がけた13枚目となるオリジナル作品です。

同じく旧来のサポート陣ジョン・スミス(ギター)やトレヴァー・ローレンス・ジュニア(ドラムス)らが加わった手堅い演奏がグルーヴを引き立てています。

スミスとローレンス・ジュニアは、グルーヴの第5作『Born 2 Groove』(2007)から起用されて以降ほとんどの作品に参加していますが、共同プロデュースにクレジットされるのは初めてのようです。

ポップスやジャズやR&Bのエッセンスをちりばめて洗練を極めたサウンドと、アイデアがふんだんに盛り込まれたアレンジは、信頼関係から生まれた成果に違いありません。

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2023年10月14日 (土)

Andy Snitzer 「A Beautiful Dream」(2023)

アンディ・スニッツアーは、”スニッツアー節“ともいえる個性的な音色とフレージングが魅力で、長年にわたり愛聴するサックス奏者です。作曲家としても、物語性を感じる曲作りの才能が進化形のアーティスト。

新作は、愁いを含んだサックスと色彩に富んだ楽曲の充実感がさらに増した秀作です。旧作で聴きなれた内省的な演奏や楽曲に比べると、明るくポジティブなムードが漂う変化にも気づける内容。

前作『Higher』に続いてキーボード奏者アラン・マレットが共同プロデュースを務めています。スニッツアー作曲の全10曲は味わい深い佳曲が並んで、マレットとのコラボが生み出す緻密なサウンド構成が秀逸です。

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2023年5月 5日 (金)

Pelle Fridell 「Mellow」(2023)

Mellow

スウェーデン出身のペレ・フリーデルは、デンマークのコペンハーゲンを拠点に活躍するサックス/マルチリード奏者です。キャリアは30年を越えて、ソロ・アルバムはデビュー作『Go Jaz』(2001)から7作品を数えます。

8作目となる本作は、パンデミック期間に書きためたという12のオリジナル曲がおさめられています。

フリーデルは、エネルギッシュなブローが特徴といえる奏者です。デビュー作ではアバンギャルドなフレージングで先進的な印象を残しました。近年の作品『Soul Go Jaz』(2018)は、ソウルフルな熱量が際立つ秀作でした。今作では、浮遊感を漂わせるクールな演奏を披露しています。

キーボード奏者ニコライ・ベンツウォン(Nikolaj Bentzon)をパートナーに迎えて、ほとんどデュオによる演奏が展開されます。シンセ・サウンドのレイヤーや複数のリード楽器などのオーバーダビングを施して、音空間を深める効果も作り出しています。

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2023年2月12日 (日)

Jason Jackson 「All In」(2022)

Jasonjaksonallinジェイソン・ジャクソンは、米国はフィラデルフィア郊外の都市ウィルミントン出身の新鋭サックス奏者です。公表されている略歴によると、米国海軍の所属ミュージシャンとして演奏活動に従事して、のちに横須賀をベースとする第七艦隊の軍楽隊(フリート・バンド)に所属しました。横須賀には3年間在住していたそうです。退役後はソロ活動を初めて、ギター奏者アダム・ホーリーのプロデュースでデビュー作『Movin’ On』(2021)をリリースしています。

ダンサブルなビートに乗せて、エネルギッシュにブローするスタイルが持ち味です。キャッチーなリフを強調するフレージングで、スムーズジャズ系直球のサウンドを聴かせてくれます。

ソロ第2作となる本作も、アダム・ホーリーがプロデュースを務めています。楽曲は、ジャクソンとホーリーの共作によるオリジナル曲が中心です。ゲストには、スムーズジャズ界のトップ級アーティストを曲ごとに並べた構成はホーリーの手腕でしょう。ジノ・ロザリア(ピアノ)キエリ・ミヌッチ(ギター)エリック・マリエンサル(サックス)ジョナサン・フリッツェン(ピアノ)らがフィーチャーされてソロを披露しますが、負けじと対するジャクソンの熱い吹奏に引きつけられます。

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2023年1月 4日 (水)

Valentino Maltos 「Analog Future」(2022)

Analogfuture_ヴァレンティノ・マルトスはテキサスを拠点に活動するサックス奏者です。ファミリー・バンドの一員としてとして10代初めからステージに立ち、スタジオ・ミュージシャンとしては20年のキャリアを誇るといいます。

本作は、マルトスの第1作となるスタジオ・アルバムです。共作を含めた自身のオリジナル楽曲を中心に、スティーヴィー・ワンダーの「Don't You Worry 'bout A Thing」のカバーも含めた11曲が並んでいます。

ジャズ/R&B/ヒップホップなどクロスオーバーなサウンドに、エネルギッシュに吹き回るマルトスのサックスが痛快な秀作です。ショート・ノートを畳みかけて、グルーヴの熱量もあふれるスタイルが個性的です。サポート陣は、マルトス馴染みのテキサス・サンアントニオ周辺で活躍するミュージシャンが中心のようです。

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2022年11月27日 (日)

Kim Waters 「That Special Touch」(2022)

サックス奏者キム・ウォータズは、20作を超えるソロ・アルバムに加えて、メンバーとして参加した「ザ・サックス・パック」やプロデュースを務める「ストリートワイズ(Streetwise)」シリーズなどの作品もあり、まとめると40近い作品数を誇ります。それでも、新作のたびに聴き惚れてしまうアーティストです。

ソロ25作目となる今回の新作も、アルバムを通して鉄板の安定感を発揮した秀作です。出だしのグルーヴからつかまれて、しばらくの間はローテーションで聴きこむパターンにまたもハマりました。

1曲目の「Joy Dance」のメロウなリズムとメロディに、いつもの安心感がふくらみます。「That Special Touch」は、流れるようなソプラノのフレージングにもソウルな表情を見せるのはこの人ならでは。

「Pathway to Love」のスウィート・メロディ、「House Call」のファンキーなビート、「Get Ur Groove On」はレトロなダンス・ナンバー、「Breathless」はフラメンコ・スタイルのギターが印象的、という具合に多彩な作曲の力量にもあらためてうなります。

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2022年11月13日 (日)

Boney James 「Detour」(2022)

ボニー・ジェイムスの新作は、前作『Solid』(2020)の進化形を思わせて、ダウンテンポやアンビエント的な静的アプローチのサウンドに、艶とグルーヴを失わないジェイムスのサックスが際立つ秀作です。

サウンドを作り上げているのは新鋭のアーティストとのコラボです。

最近作では度々共演しているジャイラス・モジー(Darius Mozee)や、前作に参加していたビーツ・メイド・バイ・フレッシュ(BeatsMadebyFresh)と、新たにアニカン&ヴェイダー(Anikan & Vader もしくはANKN & VDR)やビッグス&バングス(Bigs & Bangs)らが、曲共作や共同プロデュースに関わっています。

ビーツ・メイド・バイ・フレッシュと名乗るクリスチャン・フレイザー(Christian Frazier)は、ロサンゼルスを拠点に活動するプロデューサー/音楽家。R&B/ラップ/ヒップ・ホップ系のアーティスト、ギャレン(Garren)、マット・マルチネス(Matte Martinez)、スティーヴン・G(Steven G)などのプロデュースを手掛けています。ソロ名義の『Liquid Relaxation』(2021)もリリースしています。

アニカン&ヴェイダーは、ワシントンDCを拠点に活動する演奏家ユニット。ビヨンセと共作の実績もある作曲家/シンガーのディクソン(Dixson)や、ネオソウル系シンガー/作曲家のエリック・ロバーソン(Eric Roberson)らのプロデュース/共演で注目されています。自己名義の『Chocolate City Soul(Vol.1 & 2)』をリリースしています。

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2022年9月11日 (日)

Eric Darius 「Unleashed」(2022)

エリック・ダリウスは、オーラを放つボーカリストさながらに表現豊かに”歌う”サックス奏者です。ビートに乗るエネルギッシュなシャウトから、バラードではソウルフルで雄弁な吹奏に魅了されます。

前作『Breakin' Thru』(2018)は、自身のプライベート・レーベルからの初めての作品でした。それから4年ぶりの2作目、通算8作目となる新作は、過去作品をしのぐ個性を発揮したベスト級のアルバムです。

今作のプロデュースは、フィリップ・ラシター(Philip Lassiter)が務めています。

米国アラバマ州出身のトランペット奏者ラシターは、マルチ演奏家/作編曲家/プロデューサーとして活躍する気鋭のアーティストです。プリンスのホーン・セクションへの参加から、アリアナ・グランデ、カーク・フランキン、ジル・スコット、アル・ジャロウ、など多くのメジャー・アーティストと共演しています。自身のソロ・アルバムや、リーダーとして率いるファンク・バンドのフィルシー(Philthy)名義の作品も発表しています。ソロ名義の最新作は『Live In Love』(2021)です。

さて本作は、ほぼ全曲をダリウスとラシターが共作。ホーン・セクションを配したビートフルな曲から、ヒップホップやR&B/ファンクなど多彩な楽曲が並んでいます。

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2022年7月31日 (日)

Mike Phillips 「Mike Phillips」(2022)

マイク・フィリップスは、ニューヨーク州マウントバーノン出身のサックス奏者です。10代後半からプロ活動を始めて、およそ25年超のキャリアを誇る演奏家です。

アメリカのプロ・フットボール・リーグNFLで行われる試合前の国歌斉唱セレモニーでは、何度となく独奏を披露していることから、スポーツ・ファンにも広く知られている”サックス・マン”です。(YouTubeでビデオが見られます。)

サイド・マンとして、ジル・スコット、ブーツィー・コリンズ、プリンス、スティーヴィー・ワンダー、マイケル・ジャクソン、らとの共演で実績を残しています。

マイケル・ジャクソンの「Behind The Mask」(2010年『Michael』所収)や、スティーヴィー・ワンダーの「True Love」(2005年『A Time 2 Love』所収)で聴けるサックスは、フィリップスの演奏です。

ソロとしては、デビュー作『You Reached Mike Phillips』(2002)から『Pulling Off The Covers』(2020)まで4枚のアルバムを発表しています。本作が5枚目となるオリジナル最新作です。

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