Dan Siegel 「Unity」(2024)
キーボード奏者ダン・シーゲルは、80〜90年代には毎年ほぼ途切れなくアルバムをリリースして、人気を裏づける活躍でした。2000年代に入りペースは落ちたとはいえ、コンスタントに録音作品を発表する活動を続けています。
いまも制作意欲のおとろえを見せない、おそらく70歳をむかえて発表する新作です。全9曲オリジナル曲が並び、シーゲルのピアノ(オルガンも)がゆったりと動きまわる充実作です。
前作『Faraway Places』はコロナ禍でのリモート・セッション作品で、構築的なアレンジメントのサウンドによる良作でした。今作はライブ感もつたわる、リアルなノリを打ちだした本領発揮の演奏集。
リズム・セクションは、デヴィッド・ジンヤード(ベース)とオスカー・シートン(ドラムス)が全曲でつとめていますが、表情豊かなシートンのドラム演奏はすばらしいです。曲ごとに複数のギター奏者、ロブ・ベーコンやアレン・ハインズ、マイク・ミラー、ディーン・パークスら、またブラス・セクション(トム・スコットなど)も加わりますが、いずれもひかえめなサポートでシーゲルの鍵盤演奏をひきたてています。