Andreas Vollenweider 「Slow Flow & Dancer」(2022)
ハープ奏者アンドレアス・フォーレンヴァイダーの新作は、CD2枚からなるアルバムです。『Slow Flow 』と『Dancer』と名付けたテーマでCDが分かれています。(各盤とも20分ほどの尺ですが)
前作『Quiet Places』(2020)は11年ぶりの作品で、チェロ奏者との合奏に力強さを感じる演奏作品でした。早くも新作のリリースとは嬉しい驚きですが、2010年頃から制作を手掛けたものの中断していた作品のようで、今回完成に至ったようです。ストリングスやコーラスを配したオーケストレーションのサウンドや、ビートが躍動するポップな曲もあり、フォーレンヴァイダーの80年代の活躍がよみがえります。
共同プロデュースを務めるのはアンディ・ライトで、シンプリー・レッド、シンプル・マインズ、ユーリズミックスらアーティストを手がけた英国のロック/ポップ・シーンを代表するプロデューサーです。今作では、楽曲の共作とアレンジに加えて、ベース、ピアノ、キーボードなどの演奏も務めています。
共演ミュージシャンとして、「SlowFlow」ではロンドン・セッション管弦楽団が、「Dancer」ではアフリカの6人組コーラス・グループ、アフリカペラ(Africapella)がそれぞれ中心的な役割を担っています。南アフリカ出身のアフリカペラは、フォーレンヴァイダーの2010年前後のツアーに同行していたので、本作での参加曲はその頃の音源かもしれません。