カテゴリー「トロンボーン」の2件の記事

2017年4月16日 (日)

Geoff Alpert 「Open Your Heart」(2017)

トロンボーン奏者ジェフ・アルパートのデビュー・フル・アルバム。女性アーティストのバンド、ジャズ・イン・ピンクのキーボード奏者ゲイル・ジョンソンのプロデュースをはじめとして、ベース奏者ダリル・ウィリアムス、ギター奏者アダム・ホーリー、キーボード奏者グレッグ・マニング、フルート奏者アルティーア・レナ、などスムーズジャズ系のアーティストが多数ゲスト参加している。ハワイの「カラパナ」にも参加していたサックス奏者マイケル・パウロもゲスト参加していて懐かしい。デビュー・アルバムといえ、豪華なゲストは、アルパートのサポート・ミュージシャンの30年のキャリアの交友関係を物語っている。

1曲目は、「Heartbreak Hotel」で、懐かしいザ・ジャクソンズのヒット曲のカバーで、ハイライト・チューン。アダム・ホーリーのオン・ビートなギターや、アルパートのファンキーなトロンボーンが、オリジナルのマイケルの歌声を思い出す、秀作のカバー演奏。M3「Don’t Ask My Neighbors」は、ザ・エモーションズのヒット曲のカバーで、スウィート・ソウルなスロー・バラード。歌うようなトロンボーンのフレージングが印象的。これは、かつてジョージ・デュークのプロデュースで、トロンボーン奏者のラウル・ジ・スーザがカバーした名演(1978年同名アルバム)へのオマージュに違いない。

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2016年1月24日 (日)

Buff Dillard 「Mr.Bonejazz」(2015)

アルバムタイトルの「ミスター・ボーンジャズ」、は自らそう名乗るトロンボーン奏者、ボフ・ディラード。

昔からジャズの世界では、トロンボーンは人気のある楽器。JJジョンソンや、カーティス・フラーなど、言わずと知れたジャイアンツも多い。コンテンポラリーやスムーズジャズでも、ジェフ・ブラッドショー、トロンボーン・ショーティー、スティーヴ・バクスター、など個性的なメジャー・アーティストがいる。

この人、ボフ・ディラードは、メジャーではないけれど、注目したいトロンボーン奏者だ。ノースカロライナのシャーロットを中心に活躍している人で、ピーセズ・オブ・ア・ドリームとも共演経験がある。

この新作は、ディープなソウルやファンクの趣もあって、打ち込みにあらず、リアルなグルーヴが伝わるバンド・アンサンブルが魅力的な秀作。M2「Step」は、ちょっと懐古的なディスコ・チューン。トロンボーンとサックスが交互にフロントに出てくるアレンジが、古くて新しい、かっこよさがあると感じるのだが、どうだろうか。M4「You’re Beatuiful」は、ちょっとラテン風で、無国籍なムードもある曲。バイオリン奏者を採用して、トロンボーンとコーラスも加わる掛け合いがユニーク。

M5「After Midnight」はジャズ・バラード曲で、ソリッドなバンド・アンサンブルが、上質感があって、心地いい。M10「Queen City Vibe」は、ベスト・トラックだろう。ミディアム・テンポのファンク・チューン。夜を思わせるアーバンなムードに、メランコリックなトロンボーンのスライド・フレージングが聴きどころ。

 

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